写真論|映画論

Photography|Film

描写を行う画像メディア(絵画、スケッチ、写真、グラフ)ごとに質的な違いはあるのか。絵画のような手製の画像とは異なり、機械的なプロセスを経て生成される写真的画像には、独自の性格があるように思われる。ケンダル・ウォルトン[Kendall Walton]によれば、写真は「透明」であり、鏡や望遠鏡や眼鏡と同じように「それを通して、文字通り、対象を見ることができる」ような画像である。ロジャー・スクルートン[Roger Scruton]によれば、事物の見た目を因果的に捉えるだけの写真的画像は、表象としての芸術性を持ち得ない。写真をめぐるこれらの言説は、どこまで/どれだけ妥当なのか。